ブログ「川辺にて思う」

消えゆく文化、奪われる文化

先日、久しぶりに夕食の後、
グダグダしていて、なんとなくテレビをつけたら、
日本文化に傾倒している、
日本に来たい外国人を応援するという番組を見つけました。

醤油作りにのめり込んだアメリカ人青年に、
幾つかの醤油蔵を紹介し、
体験させるという番組です。

世界中にいる、
日本文化のある特定のものに惹かれ、
のめり込んで自作している人たちを、
日本に招待しての体験談を見せるバラエティ番組です。
日本好きな外国人たちは皆素直で真面目で、
見ていて気持ちいい番組なので、
たまに見た時には楽しんでいたのですが、
今回の醤油作りについては、
何か心に引っかかるものがありました。

主人公となったアメリカ人青年は非常に勉強熱心で、
謙虚であり、感謝を忘れず、
関わった人たち全員に手作りの食器や道具を作り、
お礼として手渡すという、ほとんど満点に近い好青年で、
もし、私が直接会うようなことがあれば、
きっと私も間違いなく大好きになり、
心からもてなしたくなるような好人物でした。

迎え入れた醤油蔵の方々もとても良い人たちで、
彼の熱心さに打たれ、
秘伝の醤油の調合割合まで教えてしまうという場面が随所にありました。

それが引っかかったのです。
もし彼が、
同じ日本人の片田舎から出てきた青年だったなら、
貴重な調合割合まで教えてしまうものだろうかと、
なんども思いめぐらしていました。

今、日本の製造業では後継者がいないために、
黒字経営であっても存続できなくなってしまい、
廃業せざるを得ない会社が幾つもあります。

例えば、
たとえその会社が存続できなくなるかもしれないとしても、
重要な機密を、
今日初めて会ったばかりの外国人にやすやすと渡してしまうものだろうかと、
それが会社の機密情報ではなく、
重要な文化の要素だったとしても、
テレビの取材という魔法に乗って、
やすやすと渡してしまっていいのだろうかと、
なんとも言えない気持ちでその番組を見ていました。

IMG_0701

なぜ、そんな風に思ったかというと、
十数年前にドイツで、
コンステレーションのインテンシブに参加した時のことを思い出したからです。

かつてインテンシブの期間中は、
毎朝、コンステレーション界の大御所の一人、
インテンシブを企画し、主催してくれたハンター・ボーモントが
1時間のレクチャーをしてくれていました。

詳細を正確に覚えているわけではありませんが、
ある朝のレクチャーで語られたことがひどく心に焼き付けられました。
ざっくりとしか思い出せないのですが、
その大筋を描き出してみます。

確か南米のどこかの話だったように思います。
でも、アメリカインディアンの話だったかもしれません。
砂漠の民の話だったかもしれません。
どこの部族のお話だったか忘れてしまいましたが、
旅をしていた白人青年が、
ある小さな部族の集落に招き入れられ、
しばらくそこで生活をすることになりました。

世界と隔絶した、
誇り高い人たちの小さな共同体です。

彼はそこで数年間をその部族と共に過ごし、
質素で、素朴で、穏やかで、豊かな生活を送り、
信頼を勝ち得るようになっていきました。

ある日、その青年は、
そろそろその地を旅立つ時期が来たと思い、
そのことを長に伝えると、
部族会議が開かれて、
彼はその部族に伝わる非常に重要な教えを、
部族の長から授かる光栄を得ることになりました。
同じ部族の中でしか伝えられてこなかった門外不出の秘伝です。

しかし、その教えを賜る時には、
よそ者には絶対に口外しないことを約束しなくてはなりませんでした。
もちろん、彼は命にかけて口外しないと約束します。
そして、その教えを受け取って、
彼はまた旅を続けました。

そして、彼は自分の国に戻ってきます。
何年も経って、
ある日、自分が世話になっていた部族が全滅したことを耳にします。

彼は悩みます。
自分が受け取った、
その部族に伝わる貴重な教えを、
このまま埋もれさせてしまっていいのかと。

自分だけが知っている、
多くの人の魂を導き、
救う可能性のあるその教えは、
自分が死んでしまった後にはこの世から消えてしまう。

自分が得た恩恵を、
誰にもわかち合わずに、
世界から失わせてしまって良いものだろうかと、
いく日も彼は考え続け、
そして決断します。

彼はそれを自分の所属する白人社会で教え始め、
多くの悩める人たちを救い、
ビジネスとして成功を収めました。

物語はここまでです。
だからなんだという結論はありません。
テレビの一番組を見ていて思い出したことです。

まだ考えています。
正解とはなんなのでしょう。

その部族を絶滅させた原因とは何だったのでしょう。

その文化、
そこで伝えられてきた秘密は誰のものだったのでしょう。

教えた人たちの魂は今何を思っているのでしょう。

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お知らせです。

☆ 第12期システミック・コンステレーション基礎コースの募集をしています。
  受け付ける人数は15名くらいが限度と考えているのですが、
  そろそろその人数に近づきつつあります。
  3月の東京と大阪のワークショップ後に締め切ろうと考えているのですが、
  予想よりも多くお申し込みがあった場合には、例えばアシスタントがいれば、
  対応できる人数を増やせるのではないかと模索中です。
  
☆ トレーニングは生きる力を取り戻す、ワークショップではできない、
  法則を身につけるための練習をたくさん行います。
  興味のある方はどうぞお問い合わせください。

    ○1回目:2018年 420日(金)〜22日(日)

開催地: 東京都江東区 

多様なワークとエクササイズを通して基本を身につける

2回目:2018年 727日(金)〜29日(日)

開催地: 札幌駅近く  

「順位と秩序、バランスの法則と多様なコンステレーション」 

3回目:2018年 1019日(金)〜21日(日)

開催地:東京都江東区を予定

「パートナーシップ、カップルワーク」 

       ※受講生のパートナーは無料招待 

4回目:2019年 125日(金)〜27日(日)最終回

開催地:東京都江東区を予定 

「中断された親へと向かう動きの再結合」 


ワークショップのお知らせ
☆ 3月のワークショップは、東京、大阪とも働きかけ枠はすでに定員に達しました。
  働きかけなしでの参加は受付中です。
  参加ご希望の方はお早めにお申し込みください。

3月


● 関東


小林真美(チェトナ小林) オープンワークショップ 詳細



日程:3月3日(土)・4日(日)
会場:東京
参加費 一般:48,600円/2日間(45,000円+消費税)
※トレーニング生は参加費が異なるためお問い合わせください。
主催:ヘリンガー・インスティテュート・ジャパン
お問い合わせ・お申し込み:ヘリンガー・インスティテュート・ジャパンまで



● 関西


小林真美(チェトナ小林) オープンワークショップ 詳細


日程:3月10日(土)・11日(日)
会場:大阪
参加費 一般:48,600円/2日間(45,000円+消費税)
※トレーニング生は参加費が異なるためお問い合わせください。
主催:ヘリンガー・インスティテュート・ジャパン
お問い合わせ・お申し込み:ヘリンガー・インスティテュート・ジャパンまで

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