システミック・コンステレーション

—–Contents—–
▶システミック・コンステレーションとは
▶ファミリー・コンステレーションとは
▶ビジネス・コンステレーションとは
▶理論
▶働きかけ
▶事例
▶Q&A

システミック・コンステレーションとは

システミックは「体系の、組織の、系統の」を意味し、コンステレーションという言葉は、「星座」をあらわします。ワークショップの参加者に家族の代理人を務めてもらい、代理人をワークショップ会場の中央スペースに配置し、その配置された形状が夜空の星座を思わせることから「コンステレーション」という言葉が使われるようになりました。

ドイツ人セラピスト、バート・ヘリンガー 氏はそれまですでに知られていた、体系的家族心理療法「ファミリー・コンステレーション」に氏の多くの洞察を加えたことにより、「ファミリー・コンステレーション」は「ヘリンガーによるファミリー・コンステレーション」として大きく発展し、その後、その理論は会社や企業、組織運営に応用されるようになりました。

システミック・コンステレーションは家族療法ファミリー・コンステレーション、ビジネス組織運営向けセラピーのビジネス・コンステレーションの両方を包含しています。
例えば、ファミリー・コンステレーションでは個人的な悩みととらえていたものが、実は自分が生まれる以前の過去に起きた家族全体が関わる事件の影響によるものだったということが発見される場合があります。
ビジネス・コンステレーションでは、会社の業績不振が実は経営者と従業員の関係に、経営者や従業員による家族関係のもつれが組織運営に投影された結果から起きていることがあります。

システミック・コンステレーションにおけるオーダー(秩序、道理)を理解し、体感し、身につけることによって、家族体系、組織体系の中で整理されていないがために生じていた問題を全く異なる観点からとらえ、オーダーに則して整理すると、私たちは生きるためのエネルギーを無駄なく使えるようになります。
ファミリー・コンステレーションによって、個人は自身の内側にエネルギー源を発見し効率よく自分の能力を活かすことができるようになり、ビジネス・コンステレーションによって、組織は本来の目的に向かって無駄なく進化し、発展することが可能となります。

結果のとらえ方

ワークショップで探求することは、参加者が問題を解決するために、それまでと違った在り方で現実と向き合い、その向き合うためのエネルギー源をどこに見つけ出すかにあります。
コンステレーションのワークが問題を解決するのではありません。問題を解決させるのはあくまでも本人の力です。コンステレーションのワークが本人の力を引き出す介添えとして認識されるとき、もっとも効率よくその力は発揮されます。コンステレーションの現場で解決が現れたとしても、働きかけを受けたことで全ては解決すると本人が考えてしまうと、その結果が現実化するのを遅らせてしまう場合があります。

ファミリー・コンステレーションでの注意事項
[個人や、夫婦、子どもの問題、家族全体の問題]
※ 精神科医による治療の過程にある方には、ファミリー・コンステレーションのワークショップへの参加をお勧めしない場合があります。お申し込みの際にどうぞご相談ください。
ビジネス・コンステレーションでの注意事項
[組織運営上の問題、人事の問題、その他]
※ 管理責任のない立場の方の参加でも効果は期待できますが、組織運営に影響力を持つポジションにいる方がビジネス・コンステレーションのワークショップに参加すると、効果が目に見える形で引き出されることがあります。
※ ビジネス・コンステレーションのワークショップでは、組織の力を引き出すために、最終的な結論の可能性を見ないうちにケースを終了させる手法があります。

ファミリー・コンステレーションとは

ファミリー・コンステレーションは、新しい視点をもたらし
努力では解決できなかったことを可能にする力を
自分の中に発見させます。

ドイツ人セラピスト:バート・ヘリンガーによるファミリー・コンステレーションは、家族心理療法の可能性を大きく広げました。

ワークショップは通常10人前後から数十人単位のグループで構成され、参加者の一人がクライアントとして自分の問題に働きかける機会を持ちます。
その働きかけるプロセスの介入の加減をはかる人をファシリテーターと呼びます。ファシリテーターにより人数はまちまちですが、ワークショップ1日に働きかけを受けるクライアントの数は4~5名程度。
参加者同士がお互いに、問題を抱えるクライアント本人の代理人や、その家族の代理人として立ち、相互に参加し合い、助け合う形式で行います。

代理人が立つ配置からクライアントの問題の原因を探し出し、それまでと異なる角度からの視点、視野を持つことを可能にし、クライアントが自分一人の努力では困難だった解放、安心、自分の能力を開花させるなどの可能性を広げます。

詳細は

例えば、頭痛の原因が頭以外の場所、骨盤のねじれから起きる場合があるように、ファミリー・コンステレーションでは、家族の中の誰かひとりが苦しんでいるとき、それを個人の問題としてとらえるのでなく、家族という一つのエネルギー体に生じた症状としてとらえ、家族体系に現れるエネルギーに働きかけます。
私たちが個人の問題としてとらえている、例えば鬱であったり、拒食症であったり、ひきこもりなどは、実は個人的というより家族そのものが抱えている見えない問題が一点に表出しているという場合もあり、個人を助けようとするよりも家族全体像を俯瞰で見ることを通して、解決や快方に向かう方向を探ります。
ワークショップの場で、それまで経験してきた事象の背後に愛と尊重、和解と調和が再発見されることで、それまで悩みや苦しみでしかなかったものの真の意味や価値が認識され、理解が生まれます。理解が悩みや苦しみのただ中で縛られていた在り方を解放し、そのエネルギーは、ゆっくりと現実の家族の中に溶け込んでいきます。

ファミリー・コンステレーションの背景

バート・ヘリンガーは、セラピーの過程で「なぜ、自分の苦しみを語るときに微笑む人たちがいるのだろう」と疑問に感じ、「そのように苦しむことが、誰か、もしくは何かの役に立っているからではないか」との仮説を導き出しました。表面的には辛い、何とかしたい、と思っていても、潜在意識では「自分は正しく、役に立っている」と思い込んでいる可能性があるのです。その背後にあるものを探ることから、ヘリンガー氏はそれまでになかった洞察を次々と得るようになっていきまし た。
自分自身は苦悩の中でもがきながらも、口元に浮かぶ微笑みが家族への愛や忠誠心を現しているとするなら、その苦しみを手放すことは愛を手放す恐れとつながり、忠誠心に背くことになるので簡単ではなくなります。
では、愛や忠誠心を傷つけることなく、苦しみから解放されることは可能なのでしょうか。それをワークショップの中で探求して行くことになります。
私たちの多くは、けなげにも、自分が困難や苦しみを引き受けさえすれば、物事はうまくゆく、家族の誰かの苦しみは払拭されるという思い込みに無意識に捕われ、実に巧妙に事故や病気や、人生の失敗に巻き込まれていきます。その思い込みは意識の非常に深い層に刻み込まれているため、通常自分自身は意識していません。ワークショップや個人セッションでは、その無意識に作られていた姿勢、在り方を目に見えるものにし、理解することによって変容を促します。

ビジネス・コンステレーションとは

ビジネス・コンステレーションは、仕事と経営にかかわる問題をまったく異なる観点から整理し、職場の潜在能力を向上させます。

ビジネス・コンステレーションは、ファミリー・コンステレーションの理論を元に、個人事業主、企業経営者、組織の統括や運営を円滑にしていくなど、仕事の上での様々な問題への取り組みに対して研究され、発展してきた、いわば自営業者、企業や会社経営、組織、また個人事業主の方のための仕事と経営のセラピーです。
この技法と理論発祥の地、ドイツをはじめヨーロッパではオーガニゼーショナル・コンステレーション(組織のコンステレーション)として、1980年代よりドイツのセラピストであり、医学者であるグンタード・ヴェーバーを筆頭にその研究が進められ発展し、 現在ヨーロッパでは大手自動車産業、コンピューター会社、また一国の警察組織の運営や多くの銀行などの企業経営に取り入れられ、成果を収めてきています。
組織内の人間関係が円滑にいかない、成功させるための意志があり、努力を惜しまないのにいつも何かがうまくいかないなど、それらの要因が想像もしなかった角度から発見され、達成を阻む因子がどこにあるかを明確に見せ、解決するための力をどこから得るべきかを関与する者に自ら発見するきっかけをもたらします。
これまでに個人事業者、レストラン経営者、企業の運営、会社経営者や一従業員や、営業の方々等に活用され成果を上げてきています。
自営で仕事をする人、フリーランスで仕事をする人、経営、組織運営の責任者、営業の成功を阻むもの、中間管理職の悩み、会社経営や組織運営の際に起きるトラブルや問題の原因をまったく予想もしなかった観点から解明し、根底から洗い出し、現実にのっとった問題解決の糸口とそれを実行するための力を発見します。

ビジネスコンサルテーションについて

理論

私たちは自分でも意識しないうちに、成功や人生をのびのびと生きること、また健康などを犠牲にし、制限していることがあります。
バート・ヘリンガーは、その犠牲や制限について数々の洞察を得ることで、それらを客観的に見、その上で向き合う方法を可能にしました。
ヘリンガー氏は、家族の中で過去に起きた出来事や事件が、その後の世代にいかに影響を及ぼすか、そして、家族や組織が安定し、機能していくことを助ける隠れたいくつかの法則性とその力の範囲と影響の強さ、その法則性からはずれると何が起き、それに従うとき何が起きるかに気づきました。
その結びつきや絆を守る法則が無視されると、家族やグループ、その組織の中に流れるエネルギーはバランスを崩します。
それによってその後の世代や人、家族であれば子どもが、バランスを取り戻さなくてはならない暗黙の衝動に駆り立てられることになります。
バート・ヘリンガーのシステミック・セラピー論は、家族や一族、組織への所属を守るためのグループの良心の存在と、グループの良心が持つ制約についても明らかにし、家族やグループ、組織の均衡を、誰かを犠牲にすることなく、取り戻す道を指し示してくれるのです。
優先の順位、均衡の法則、所属とは、個人とは何か、家族とは、グループとは、組織とは何か、彼の言う偉大なる魂とは、運命とは・・・。理論は細部に渡り、多くを教えてくれます。

もし私たちがひとつひとつ学び、実感していくことができたら、生きることは学ぶ以前よりはるかに楽になることでしょう。
他者の問題に巻き込まれることがなくなり、例えあったとしても対処の術が自分の中にあることを知り、また、自身の思い悩む事柄がどこから来て、何によるものか理解が可能となり、手放すことが容易になります。
私たちは責任を恐れることをやめ、そこから湧き上がる力を自分のものにし、自由を手にし、生の潮流に乗るのです。

理論:良心と秩序

良心の三つのタイプ

《個人的良心》
個人的良心の特性
やましさと汚れなさ
良心と所属の関係
良心と分裂
良いパートナーと悪いパートナー
所属と善悪
個人的良心が必要とする
絆と所属
与え受け取ることの均衡
秩序(社会的予測性)

《システミックな良心》
システミックな良心の特性
知ることができない
除外と圧力
完全性と正否の関与
システミックな良心の条件
権利
優先順位
誰が与え、誰が受け取るか
システム同士の優先順位

《大いなる全体の良心》
医療、宗教
戦争のもたらすもの
宇宙的意志

ワークショップは上記の項目にある秩序、法則を基に行われ、トレーニングではこれらの秩序、法則を理解し身につけるための訓練をします。

働きかけ

問題に働きかけるとは:システミック・コンステレーションのワークショップで、参加者の中の問題と向き合う用意が整った人をクライアントと呼び、ファシリテーターはその人へのインタビューから始めます。
クライアントは家族や組織、団体を構成するメンバーを代理する人を参加者の中から選び出し、その場に配置していきます。その配置から、家族や組織の力関係や不調和等を見ることになります。

先に言及したように、ある定められた秩序が、家族や組織の中には流れています。
ファシリテーターはこの秩序に則って、代理人の立ち位置、表情、身体の様子から情報を得て、クライアントの家族や組織内の人間同士の関わり合いの背後に、実際に何が起きているかを読み解きます。

基本的なコンステレーション・ワークでは、例えばかつては家族の問題であれば最終的な場面で、父親が母親の右側に立ち、その母の左には最初の子ども、続いて2番目、3番目の順に続いて立つというような、解決の可能性を探るものでしたが、最近では最終的な立ち位置はもっと多様化の傾向にあります。

解決が見つかったとき、時にはクライアントが自分の代理人と入れ替わり、家族の中における新しい居場所を感じとることを求められます。クライアントはそこに立つことで、今まではたから眺めていた自分の人生の可能性に、あらためて実感を得ることになります。

しばしば、関わっている全員の代理人が正しい位置に立っている、満ち足りている、または納得できる場所にいると感じているときに解決を迎えたとしてそのコンステレーションは終わりを迎えます。
しかし、場合によっては最終段階に至る前に、そのコンステレーションを終えなくてはならない場合もあります。その場合、クライアントはその終わり方が何を意味し、そこから得られるものの可能性についてファシリテーターから指示を受けます。

コンステレーションが終わると、代理人はその役から抜け出し、その役を忘れて普段の自分に戻るように言われます。彼らがそこで経験したことは外では話さないことを指示されます。

代理人とは

代理人を体験して気づく

ワークショップでは、自分の問題に対する働きかけを受けるだけでなく、その場にいることや、クライアントの家族の代理人としてコンステレーションのなかに立つことでも、自分自身のために有用な大きな気づきを得ることが多々あります。

代理人として選ばれたときには、自分の感情や身体感覚をクライアントのために貸し出しをしたと思うと良いでしょう。自分がクライアントにとって必要な情報をキャッチするアンテナの役割をしていると捉え、その場に立ったときに感じたことを素直に伝えることが、クライアントを助けるために最も役に立ちます。
また、体調が悪い時や、代理人の役が何度も重なったときには断ることができます。

例1)
自分の感情を表現することが困難だった男性が、子どもを失った若い父親の代理人をしたときに、押さえきれない悲しみに涙と嗚咽が止まらなくなるという経験をしました。本人も初めて経験するほとばしる感情に目食らっていましたが、ワークショップから数日経ってから喜怒哀楽の表現が容易になっている自分を発見し、驚くと同時に自分が柔軟になったと感じると報告を受けました。

例2)
小さなワークショップのときに、ある男性が自分とは生理的に合わないと感じていた人物の代理人に選ばれてしまったことがありました。参加者の数が少なく、断ることもやや難しい状況で、内心渋々代理人を引き受けたそうです。
男性はそれまで、屈折した行動をとるその人物に少なからず偏見を抱き、先入観を基に批判的にしか見ることができなかったのです。しかし、代理人をしたことで、その人物のかくれた悲しみや、奥底で身動きできなくなっていた優しさ、またなぜ屈折した行動しか取れないのかという動機を自身の身体感覚で捉えたとき、偏見と先入観を維持することが困難になってしまったそうです。

もちろん、だからといって、その後特にその男性とその人物が親友になったわけではありませんが、生理的な嫌悪感や感情的な好む、好まないという感覚は浮上しなくなり、適切な距離をもって相手を見ることができるようになったということです。

その後のケア

働きかけを受けた方の中には、深い癒しが起こる過程で一時的に心身のバランスがくずれるなど、不調を感じることがあります。システミック・コンステレーションのワークショップは医療行為ではありません。ワークショップ参加後の感情的、身体的変化を感じる可能性については、参加を決めたご自身の責任であることが前提となります。
心身の変化に関しての助言を必要とされる方には、そのワークショップの主催者、または、小林真美(チェトナ小林)が電話か電子メールで行います。
どうぞその後の経過についてお知らせの上、お問い合わせ下さい。

☆注意☆
ヘリンガー・インスティテュート・ジャパン主催のワークショップの内容は、今後の研究のため、カメラで撮影し、記録に残します。
特定のワークショップでは、参加者の同意を得られた場合、その記録のDVDが販売されることがあります。
ワークショップの記録は、名前、年齢を変えて、ケース例として出版物に著述される場合があります。

事例

父の父親を与えたかった娘

ある女性の父方の祖父は、彼女の父親が産まれる前に亡くなりました。彼女は物心つく頃から、無意識に自分を男のように振る舞わせたり、男性のような服装をするようになっていきました。女性らしくいようとする希望と、男のように振る舞おうとする衝動の葛藤に、思春期から成年期に至まで非常に苦しんで過ごしました。ファミリー・コンステレーションによって問題のルーツが何だったのかが明らかになるに連れ、彼女は自分を男にすることによって、父に父親を与えたがっていたということを理解しました。そこで初めて、女性として生きて良いと、男性のようになる必要がないと、ようやく自分に許可を出すことができました。

子ども世代が過去に除外された人の役割を果たす

犯罪、病、あるいは家族の中で起きた争いといったような出来事の結果として、家族の一員が家族体系の外に追い出されてしまうことはよくあることです。そのような人たちは、表面的には(肉体的には)家族の中からは消え去ります。しかしエネルギーという観点からは、彼らは家族の中に存在し続け、エネルギー的にはその存在を感じ取らせます。そして家族の中に流れる「良心」は、「除外された存在」を思い出させ、認識させようというエネルギーの場を作り出し、次の世代、もしくはその次の世代の子どもがその人の身代わりをする象徴的な役を担うことになります。 身代わりをするその衝動は、自己が認識できる意識の範囲よりもさらに深いレベルからくる力に突き動かされて起こることです。

子どもにとって里親と本当の親は違う

養子縁組での両親は、当然のように本当の親の役を引き継ごうと試みます。しかしほとんどの場合、特殊な例外を除いて、それは家族の中に不調和と、子どもから恨みを引き出します。子どもは自分を捨てた親への恨みを養父母にぶつけます。血のつながった親をそうでない親と取り替える事は不可能です。生命を生み出す事の重みを知るなら、それを育む責任を他者には譲渡しえないことを理解することです。実の親に重大な問題が生じて、子どもの世話をする事が不可能な状況に限って、子どもは里親に託され得ますが、養子縁組を結ぶ事はまた別の問題です。

「あなたの代わりに私がやります」

家族の一人が、その存在を認められていない既に亡くなった家族の一員の代わりを務めようとして、苦しみを背負い込んでしまうことがあります。 例えば、もしかしたら、亡くなった祖母の後を追うという母親の無意識下の密かな自殺願望を、その子どもは自覚ないまま察知して、母の代わりに祖母を追って死に、祖母のかたわらに横たわりたいという母親の場所を自分で埋めてしまい、母を死なせまいとしているのかも知れません。また、ある子どもは両親のどちらかの、以前のパートナーの代理を演じることがあります。そして息子が父親に対抗しようとしたり、娘が母親に対抗しようとして、家族の均衡はバラバラになったりします。無視され、尊重されなかった過去の親のパートナーが認識され、尊重されるまで、子どもたちはがんばり続けます。 物事が必ずしも見かけ通りではないということはご存じでしょう。加害者だと思われていた人物が、実は非常に愛情深いが為に、過去を認識させるための行為を繰り広げていることがあります。また、被害者と信じられて来た人が、問題となっている事件の原因を作っていることがしばしばあります。

Q&A

A.基本的には個人の悩みや問題にコンステレーションを通して働きかけることで、それまでの自分ではできなかった対応の可能性を探る場です。
また、他の参加者の家族や本人の代理人としてコンステレーションの場の中に身を置くことによって、個人や家族の苦しみの背後に、実はどのような力動が作用しているのかを理解する機会を得ます。
システミックなものの見方、観点からの解説もあり、直接働きかけを受けない人も、その場に身を置き、参加することで、自分の問題に関係する洞察を得、個人や家族に起きる問題や苦しみの背後に何が流れているか体験を通して理解でき、家族システムに備わっている愛の法則性を学ぶことができます。
自分以外の参加者のために、代理人として自己の感情や感覚を「貸す」という日常にはない身体感覚を体験することは、自分自身の感情や感覚に対して、客観的な距離をおいて捉えることを可能にします。
問題に働きかけることができる人数には限りがありますが、その場にいることで自分自身や家族の在り方について新たな理解を求めたいという方の参加には人数の制限はありません。
A.ヘリンガー・インスティテュート・ジャパンが主催するトレーニングの期間は約1年半で、参加募集は2年に1度 行います。1回のトレーニングの受講生はだいたい30名~45名です。1年半の自分の内側に向かう旅 は、いつも同じ顔ぶれの仲間によって支え合うことになります。 この期間を通して受講生は自分の人生の中での立ち位置を再構築し、生きることをより楽にすることによって、深刻にではなく誠実に、真実と向き合い、生命を受け取ることの意味をつかみ直していきます。 自己の成長を模索するために学びたいという方であればどなた にでもこのトレーニングは開かれています。これまでに、子ども の心理を理解したいという子育て真っ最中の母親、組織運営の ためにシステム論を学びたいというビジネスにたずさわる方、檀家の方々を手助 け したいという僧侶、ただ自分をもっと良く知り、生きることを楽にしたいという目的のためだけに受講した方も数多くいます。 また、専門家の方々、臨床心理士、カウンセラー、セラピスト、精神科医、看護士、コーチングの実践者、指導者、NLPトレーナー、 針灸師といった方もご自身の職務の中で役立てるために受講されていますが、それら人々を手助けすることを目的に受講された 方々も1年半のうちに自分の居場所という土台がより安定し、何よりご自身の生きること自体が楽になっていくので、システムを理解した上で生まれるそのスペースからの他者への手助けはより容易なものとなります。
A.参加者は「お客さま」や「クライアント」としてではなく、ファシリテーター予備軍としてそこにいることになります。「提供する側」としてどういう姿勢でいたらいいかということや、ワークショップを開催するときのファシリテーターとして、どういうポジションに身を置くものなのか、など、ファシリテーターとして学ぶ必要のある様々なことを学ぶ機会です。
ワークショップを開くときの姿勢や、クライアントにはどういうインタビューをしたらいいのか、クライアントとどのようにかかわったらいいのか、などを学ぶ場です。
A.事例として働きかけを受けることもありますが、トレーニングとは働きかけを目的としたものではありません。
クライアントとして働きかけを受けるのでなく、それを通して皆が学ぶために、受講生がクライアントの役割になって、自分の症例をみせることを目的に、働きかけを受けることもあります。
A.そのトレーニングの内容の「流れ」にあっているかどうか、が基準になります。たとえば、トレーニングの意味もあるワークショップのようなときには、その問題の緊急度とか深刻度が基準になるのはもちろんですが、同じようなケースが続かないこと、事例が重ならないということも大切です。それによって、直接働きかけをうけなくても、自分のケースのヒントとなる体験ができたりするのです。
また、これは説明してもわかってもらいにくいことなのですが、ファシリテーターとして、次の瞬間に働きかけを受けなければならない人は突出して浮かび上がって見えるのです。働きかけを希望する人は誰もが自分の問題は緊急で深刻だと思っていることが多いので、理由のつけにくい選択基準では、「個人的な好みでは」と思われる場合もあるかもしれないのですが、ワークショップやトレーニングの中ではそういう個人的好みは入れません。その人も含めての全体のために、今この人の働きかけをすることが必要だろう、というその人材がその瞬間浮かび上がって見えます。その感覚にしたがって選ぶ限り、いろいろなタイプの症例が出てきます。
A.代理人はクライアントが選ぶのですが、代理人として選ばれる人材というのは、ひとつには、その代理人に選ばれる人の中に問題に何かシンクロしている事例をもっている場合、その代理人自身が選ばれることで何かヒントを得られるような場合などが多いようです。代理人として選ばれやすい体質というのもあるようで、オープンでニュートラルな状態にいる人が選ばれやすくなっています。自分の問題で頭がいっぱいになっているときには、代理人として選ばれにくいです。
A.ありません。ヘリンガー・インスティテュート・ジャパンとしては、特に設けていません。なぜかというと、ファミリー・コンステレーションを学びはじめると、1回ごとに次のワークショップ、次のトレーニングがアドバンストレーニングという質をおびるからです。
ファミリー・コンステレーションを学ぶということは、自分個人の抱えている問題と常に向き合い、自分を直視していくことが必要になります。それは個人の問題や個人の感情の背景に何があるかをさぐることであり、家族というものの意味を探ることであり、最終的には生命というものを学ぶプロセスなので、この瞬間の次の瞬間は、いつも、自動的にアドバンストレーニング、になってしまうのです。
A.理論を読んでも、経験とその理論が合致していないときにはそれが空回りしてしまいます。理論と経験が組み合わさってそれを客観視できる余裕ができたら、その余裕が、他の人のために働きかけのための土台となったり、スペースとなったりするわけです。心の中にそういうスペースを得るためには瞑想が役に立ちます。
だから、理論を深めていくとか、もっと難しい理論がある、という風にアドバンストレーニングをとらえるよりは、自分にとっての家族の価値とか、自分にとっての親の価値というものを深く認識していくこと自体がアドバンストレーニングなのです。
だから特別な枠の上級なトレーニングがあるというわけではありません。
A.ファミリー・コンステレーションの理論や、その実践経験は、様々なセラピーや、メソッドに新しいものの見方や洞察を与え、それぞれの手法の基盤を堅固にする手助けをしますから、トレーニングを終えた後、修了生はそれぞれ自分のそれまでやってきた仕事に学んだことを役立てたり、自分でワークショップ等を開催している人たちがいます。
トレーニングは、現時点(2008年12月)では第2期を終えて、第3期に入っていますが、1期、2期修了生の中から3期のトレーニングに参加している人たちが何人もいます。その人たちにとっては、継続して受講する次のトレーニング・プログラムは、アドバンス・トレーニング(上級コース)受講という意味を持つことになります。(継続しての受講は大幅な受講料減額によってサポートされます)
一回目のトレーニング期間を終了した後、次期トレーニングに参加している人たちは、初回のトレーニング期間中は自分と向き合うことで精一杯となっていることがあります。学びを継続する次のトレーニング・プログラムでは、一回目の過程で学んでいたことの意味や価値を実感として十分受け取れていなかったことを理解したり、今度はあらためて客観的に把握する土台、余裕というものを得ている自分に変化していることに気づきます。
その人たちにとっては、次の段階において、今までは漠然と「そうじゃないか」と思ってきたことが、「そうだったのか!」と、現実味を帯びた実感として腑に落ちるようになるわけです。 トレーニングを継続すること自体がアドバンス・トレーニングになるというのはそういう意味です。そこには実感と客観性が同居できる余裕が生まれています。
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